タイラーメン(クイッティアオ)の注文方法と種類を写真をまじえて紹介します。
タイラーメンのタイ語も併記しているので、店員さんにうまく伝わらないときに活用してください。
タイラーメンの注文方法
タイのラーメン屋は大きく以下の2つにわけられます。
どちらのお店も注文方法は以下のとおりです。
はじめに麺の種類を選びます。
製法や麺の太さによってよび方が違います。
つぎはスープの味を選びます。
主なスープは6種類です。
汁の入った「スープ麺」か、汁のない「まぜ麺」か選びます。
具材は大きくわけて、肉類(豚・鶏・牛)・魚介類(エビ・イカ)・つみれ(ねりもの)の3種類です。
なにも言わなければ普通盛りになります。
タイの麺は日本のラーメンとくらべると半分の量しかありません。
しっかり食べたければ大盛りにしましょう。
タイラーメンの麺の種類
名称 | 原料 | 麺の太さ | カロリー | タイ語 |
---|---|---|---|---|
バミー | 小麦粉 | 中華ちぢれ麺 | 298Kcal | บะหมี่ |
ミーグロープ | 小麦粉 | 揚げ麺 | 574Kcal | หมี่กรอบ |
センミー(クイッティアオ) | 米粉 | 極細米粉麺 | 168Kcal | เส้นหมี่ |
センレック(クイッティアオ) | 米粉 | 中細米粉麺 | 220Kcal | เส้นเล็ก |
センヤイ(クイッティアオ) | 米粉 | 幅広米粉麺 | 160Kcal | เส้นใหญ่ |
ウンセン | でんぷん | 緑豆春雨 | 78Kcal | วุ้นเส้น |
クワイジャップユアン | 米粉+タピオカ粉 | タピオカ麺 | 235Kcal | ก๋วยจั๊บญวน |
クワイジャップ | 米粉 | 米粉シート | 240Kcal | ก๋วยจั๊บ |
タイラーメンは、原料や太さによって名前が異なりますが、大きく「バミー」と「クイッティアオ」の2種類に分けられます。
クイッティアオ:(米粉麺)
クイッティアオはお米ならではのもちもち食感とつるっとした喉ごしが特徴です。
グルテンフリーなので小麦アレルギーの方でも安心して食べられます。
麺の太さによってよび方がかわるので順番にみていきましょう。
センミー・クイッティアオ(極細米粉麺)
クイッティアオの極細麺タイプはセンミーとよばれています。
お米の風味と歯ごたえのある食感が特徴です。
日本でいうビーフンです。
センミーを油で揚げたミーグロープはタイの国王ラーマ5世が好んで食べたといわれています。
センレック・クイッティアオ(中細米粉麺)
クイッティアオの細麺タイプはセンレックとよばれています。
お米の風味とつるっとした喉ごしが特徴です。
タイで一番食べられている麺で、注文時に麺を指定しないと暗黙の了解でセンレックになります。
センヤ・クイッティアオ(幅広米粉麺)
クイッティアオの太麺タイプはセンヤイとよばれています。
もちもちの食感とつるんとした喉ごしが特徴です。
日本のきしめんより太く食べごたえがあります。
ウンセン(緑豆春雨)
春雨のことをタイ語でウンセンといいます。
タイの春雨は緑豆からつくる緑豆春雨でコリコリとした食感が特徴です。
100gあたり78カロリーと低カロリーなので小腹が空いたときにおすすめです。
クワイジャップユアン(タピオカ麺)
米粉にタピカオ粉をまぜてつくった半透明の麺はクアイジャップユアンとよばれています。
ユアンはタイ語でベトナムという意味でベトナムから伝わった麺料理です。(ベトナムではバインカン)
ぷるぷるもちもちとした独特な食感はスープになじみやすく、鶏ガラや牛骨からだしをとったあっさりスープとの相性バッチリ。
パクチーをトッピングすればおいしさ優勝まちがいなしです。
クワイジャップ(米粉皮)
ゆでるとくるくる丸まる米粉皮はクワイジャップとよばれています。
もちっとした食感ととぅるんとした喉ごしが特徴で、豚の内蔵を煮込んだ醤油ベースのスープとあわせるのが一般的です。
ホルモンが好きな方におすすめの一杯です。
バミー:(中華麺)
小麦粉でつくった黄色い麺はバミーとよばれています。
タイの中華麺(バミー)はストレート麺ではなく細ちぢれ麺で、もっちりとした食感が特徴です。
ミーグロープ(揚げ麺)
バミーは「中華麺」、グロープは「パリッとした」という意味のタイ語で、
バミーグロープはビーブンや中華麺を揚げた「揚げ麺」のことです。
おもにあんかけソースをかけて食べます。
タイの国王ラーマ5世が好んで食べたと伝えられています。
タイラーメンのスープの種類
名称 | 特徴 | タイ語 |
---|---|---|
ナームサイ | 鶏などでだしをとった透明なスープ | น้ำใส่ |
ナムトック | 豚の血でコクを出した濃厚スープ | น้ำตก |
トゥン | 五香粉が効いた甘じょっぱい醤油スープ | ตุ๋น |
トムヤム | 酸っぱ辛いスープ | ต้มยำ |
ゲーン | 香辛料+ハーブ+ココナッツミルクのスープ | แกง |
エンタフォー | 甘酸っぱ辛い紅腐乳スープ | เย็นตาโฟ |
麺を選んだら次はスープを選びます。
タイラーメンのスープはおもに以下の6種類です。
ナームサイ
鶏や牛骨などでだしをとった透明のシンプルなスープ。
さっぱりしていてクセはなくシンプルな味わいです。
ナムトック
豚の血でコクをだした濃厚な味わい。
豚の血スープというと抵抗を感じる人もいると思いますが、臭みはまったくスパイスの香りがさわやかです。
トゥン
五香粉(ウーシャンフェン)が効いた甘じょっぱい台湾系醤油ベース。
*五香粉とは、八角・山椒・花椒・シナモン・クローブなど、5種類のスパイスをブレンドした混合スパイスのことです。
トムヤム
トムヤムクンでおなじみの酸っぱ辛いスープ。
タイには以下の2種類あります。
ゲーン
ココナッツミルクに香辛料とハーブをくわえたスープ。
スパイスがたっぷり使われているのでピリ辛ですが、ココナッツミルクのまろやかさとハーブのさわやかさがクセになる美味しさです。
エンタフォー(紅腐乳スープ)
見た目のインパクトは強烈ですが、甘酸っぱ辛く、あっさりした味にハマる人続出。
スープがピンク色なのは豆腐と紅麹で発酵させた紅腐乳が入っているためです。
*紅麹は悪玉コレステロールを下げることが期待できる米麹の1種です。
タイラーメンは汁の有無を選ぶ
注文したタイラーメンをスープ有りにするかスープ無しにするか選びます。
スープ無しといっても油で炒めないので脂っこくありません。
有り/無し | 呼び方 | タイ語 |
---|---|---|
汁あり | ナーム | น้ำ |
汁なし | ヘーン | แห่ง |
汁あり
汁が入ったスープ麺。
汁なし
タイラーメンの汁なしは、小麦粉をつかった中華麺が一般的です。
チャーシュー・砕いたピーナッツ・もやしなどの具材をまぜて、さまざまな食感と味を楽しめます。
ガーリックオイルが効いていますが、ライムをキュッとしぼって食べると、油っぽさが気にならずするするいけます。
中太の米粉麺を炒めたタイの焼きそば「パッタイ」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
タイラーメンの主な具材
具材 | 呼び方 | タイ語 |
---|---|---|
豚肉 | ムー | หมู |
鶏肉 | ガイ | ไก่ |
牛肉 | ウア | วัว |
内蔵 | クルアングナイ | เครื่องใน |
肉骨茶(バクテー) | グラドゥク | กระดูก |
エビ | グン | กุ้ง |
イカ | プラームック | ปลาหมึก |
つみれ | ルークチン | ลูกชิ้น |
タイラーメンの具材は大きく以下の3種類に分けられます。
タイラーメンの量
呼び方 | タイ語 | |
---|---|---|
普通盛り | タマダー | ธรมมดา |
大盛り | ピセート | พิเศษ |
注文時になにも言わなかったら暗黙の了解で普通盛りになります。
男性なら大盛りか2杯が丁度いい量です。
タイラーメンの調味料
タイラーメンの屋台や食堂に入ると卓上には以下の調味料が置いてあります。
調味料 | 呼び方 | タイ語 |
---|---|---|
魚醤 | ナームプラー | น้ำปลา |
ビーナッツを砕いたもの | トゥア | ถั่ว |
砂糖 | ナームターン | น้ำตาล |
酢 | プリックナムソム | พริกน้ำส้ม |
一味唐辛子 | プリックポン | พริกป่น |
ほとんどのタイラーメンがうす味で提供されるので、テーブルの調味料で自分好みの味にアレンジするのが一般的です。
一度に入れてしまうと味がもどせないので少量ずつ入れましょう。
タイラーメンの薬味
パクチーなどの香草は無料のセルフサービスになっています。
いろいろな種類のタイラーメン
タイは街を歩けば麺料理や屋台があちこちにあり、食事のみならず小腹が空いたときやおやつの代わりとしても麺をよく食べる国です。
いろいろな種類のタイラーメンがあるので、タイに来たらぜひ食べてください。
【バミー系】いろいろなタイラーメン
バミーをつかったタイラーメンはチャイナタウンや華人が経営するラーメン屋で食べられます。
ワンタンとアヒルの中華麺
アヒル+ワンタン+中華麺の組み合わせは華人系ラーメン屋の定番メニューです。
辛くないので辛いのが苦手な人でも安心して食べられる一杯です。
エビワンタンの中華麺
エビワンタンとエビの出汁がきいたスープが絶品のワンタンメン。
タイならぷりぷりの海老が入ったワンタンメンを120円で食べられます。
豚の背骨スープの中華麺
肉骨茶(バクテースープ)+バミーの組み合わせも華人が経営するラーメン屋の定番メニュー。
豚の背骨からとる黄金色のスープはコクがあるのにあっさりしていて上質なコンソメスープのようです。
汁無し中華麺
タイの汁なしそばは、甘味・辛味・酸味が絶妙なバランスの美味しさです。
中華麺に砕いたピーナッツがからみ、食感がクセになります。
あんかけ揚げ麺
タイにはラーメン屋とはべつにあんかけ麺専門店がたくさんあります。
油で揚げた中華麺にとろみのあるソースがかかっていて、ジャングな味が罪深い美味しさです。
まったく辛くないので辛いのが苦手な方におすすめです。
【スープ別】いろいろなタイラーメン
出汁のきいた透明なスープ
魚介出汁+米粉麺+練り物の組み合わせもタイラーメンの定番です。
スープは水のように透明であっさりですが、だしがきいてあとひく美味しさです。
豚の血スープ
日本では食べられないナムトックとよばれる豚の血スープ。
豚の血でコクをだした濃厚な味わいはやみつきになります。
動物系のコクとスパイのさわやかさが絶妙のバランスでクセになる美味しさです。
トムヤムナムサイ
トムヤムナムサイは唐辛子の辛味とライムの酸味のバランスが絶妙で、細かく砕いたピーナツや干しえびなどが入っています。
トムヤムナムコン
トムヤムナムコンはトムヤムスープ(ナムサイ)にココナッツミルクを入れたものです。
レモングラスやコブミカンの葉なども入っていてコクがあるのにさわやかなタイらしいテイストのスープです。
*トムヤムプリックパオ(ต้มยำพริกเพา)とよぶお店もあります。
甘じょぱい醤油スープ
トゥンとよばれる醤油色の甘じょぱいスープはいかにも濃そうな見た目ですが、あっさりしていて日本人の口にもあいます。
香辛料+ハーブ+ココナッツミルクのスープ
ゲーンラーメンは、牛骨とココナッツミルクのWスープにタイ北部のスパイス&ハーブを加えた奥深い味わいが特徴のタイラーメンです。
カオソーイ
チェンマイの名物料理「カオソーイ」は、まろやかさの中に適度な辛さがあって日本人好みの味です。
ココナッツミルクのまろやかさと香辛料のスパイシーさのバランスが絶妙なスープに、卵麺と揚げ麺がダブルで入っています。
さらに付け合わせの赤たまねぎとからし高菜もくわえれば、いろいろな食感と味が楽しめて、この組み合わせは絶対にはハマります。
チェンマイ名物料理カオソーイについて詳しくはこちら
【具材別】いろいろなタイラーメン
スズキのタイラーメン
スズキのシコシコとした歯触りと淡泊な味が、出汁のきいたスープにマッチして何杯でもお代わりできます。
鳥関節のタイラーメン
軟骨のコリコリと醤油ベースのスープが絶妙にマッチしたタイラーメンです。
鳥の薬膳スープのタイラーメン
さまざまな漢方や野菜を煮込んだ褐色の薬膳スープには旨味がぎゅっとつまっています。
具材の鳥のもみじ、関節、手羽などは、長時間煮込まれているので骨まで全て食べれます。(サンゲタンのような感じです)
アヒルのタイラーメン
タイには鶏肉と同じくらいアヒル肉を使ったタイラーメン屋がたくさんあります。
牛肉のタイラーメン
醤油ベースのスープにとろとろに煮込まれた、牛すじやセンマイなどが入っていて白飯と一緒に食べると最高です。
タイラーメンのマナー
最後にタイの食事マナーについて少しふれておきます。
ラーメンどんぶりに口をつけてスープを飲んだり、音をたてて麺をすすったりするのはマナー違反になるので気をつけましょう。
ラーメンなんて「自分の好きなように食べれば良い」という意見もありますが、「郷に入れば郷に従え」。
タイに行ったらタイの文化や習慣を尊重しながら食事の時間をたのしんでください。
お土産に喜ばれるタイのカップ麺