せっかく買ったお土産やあなたの私物が空港で没収されたら悲しいですよね。
日本とタイは、出入国に関する規制において多くの違いがあります。
例えば、日本で普及している加熱式タバコをタイに持ち込むと、多額の罰金が課せられます。
一方、タイのコンビニで手軽に買える大麻ジュースを日本に持ち込むと、即座に身柄を拘束されます。
このようなことを避けるためにも、事前に規制や法律について把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、
について在タイ10年の筆者がくわしく解説します。
タイ入国時に持ち込み禁止
の持ち込みはいかなる場合でも禁止です。
罰金ですめばよいですが最悪の場合、逮捕されます。
日本からタイに持ち込める金額
日本からタイに持ち込める通貨の額は以下のとおりです。
外国通貨
通貨の種類を問わず1 人あたり1万5千ドル以下。(日本円で約200万円)
1万5千ドル以上の持ち込みは税関への申告が必要です。
詳しくはリンク先の税関ホームページ(支払手段等の携帯輸出入の手続)を確認ください。
タイバーツ
1 人あたり45万バーツまで。
はじめてタイバーツを手にする方は「タイのお金の種類」でお札のデザインを覚えておきましょう。
タイ国内では年々キャッシュレス化が進んでいます。
現金を持ち歩きたくない人は「タイ旅行で使える電子マネーTrueMoney Walletの登録方法と使い方」をチェックしてみてください。
タイに持ち込めるタバコとお酒の範囲
タバコの持ち込みは1人1カートン(10個入1包み)200本まで。
葉巻は250グラムまで。
お酒は1本(1リットル)まで。
違反した場合は没収か罰金または両方を科せられます。
2019年2月3日以降、スワンナプームをはじめとするタイ国内6ヶ所の空港が全面禁煙になりました。違反した場合は5,000バーツの罰金が科せられます。
電子タバコは持ち込み禁止*厳罰
タイでは2014年に電子タバコ禁止条例が発令され、水タバコと電子タバコ(非加熱式も含む)の輸入が禁止されています。
違反者には5年以下の懲役、50万バーツの罰金、またはその両方。
量が多い場合は、販売業者とみなされ10年以下の懲役、100 万バーツ以下の罰金、またはその両方が科せられます。
参照:กฎหมายบุหรี่ไฟฟ้าในไทย เป็นไปได้หรือไม่?
タイ入国時に申告すべきもの
申告すべき荷物 | 問い合わせ先 | 申請サイト |
---|---|---|
仏像・工芸品・骨董品 | タイ文化省(芸術局) | http://nsw.finearts.go.th |
銃器・弾薬・模造拳銃 | タイ内務省(地方行政局) | https://www.dopa.go.th/ |
植物 | タイ農業協同組合省(農業研究局) | https://www.doa.go.th/ |
動物 | タイ農業協同組合省(畜産局) | https://dld.go.th/ |
医薬品・化粧品・サプリメント | タイ保健省(食品・薬品委員会事務局) | https://www.fda.moph.go.th/ |
車両部品 | タイ工業省 | https://www.industry.go.th/ |
ワシントン条約の対象動物や一部の果物・野菜などの特定商品は、関連する行政機関から必要書類を受け取り、タイ出入国時に税関検査場で申告する必要があります。
タイ出国時に持ち出し禁止
仏像・骨董品・美術品
骨董品店などで販売されている仏像・骨董品・美術品などは文化財保護を目的として、原則タイ国外への持ち出しが禁止されています。
高価な仏像や美術品などを日本へ持ち込む場合はタイ王国文化省芸術局の許可が必要です。
タイバーツ&外国通貨の持ち出し制限
タイバーツの持ち出し
タイバーツの持ち出しは1人あたり5万バーツまでです。
5万バーツを超える場合は、空港で税関申告が必要です。
外国通貨の持ち出し
外国通貨の持ち出しは、種類を問わず1万5千ドル相当まで可能です。
1万5千ドルを超える金額は、空港で税関申告が必要です。
タイ出国時に税金の払い戻し(免税手続き)
タイで2,000バーツ以上の買い物(同日同一店)をした外国人旅行者は、タイ出国時に税金の払い戻しができます。
アプリを使えばスマホをタップするだけで払戻金が受け取れるので、少しでもお得にショッピングを楽しみたい人はスワンナプーム空港での免税手続きのやり方を確認ください。
日本帰国時に持ち込み禁止
以上のものは日本に持ち込むことはできません。もし持ち込んだ場合は即座に身柄を拘束されます。
最近、タイで親しくなった日本人から、日本の友人に荷物を渡してほしいと頼まれ、あなたが知らないうちに運び屋にされるケースが増えています。
最悪の場合、一生が台無しになります。勇気を出して断りましょう。
大麻食品の持ち込み
タイでは大麻の規制緩和が進んでおり、大麻入りのスナックやジュースがコンビニで手軽に買えます。
しかし、日本では大麻の所持が禁止されているため、大麻成分を含む食品を持ち込むと大麻取締法による処罰の対象となります。
うっかり日本に持ち帰らないようにしましょう。
タイの薬の持ち込み
タイの薬局は処方せんなしで医療用医薬品が購入できますが、1か月以上の量を日本へ持ち込むときは事前に申請手続きが必要があります。
輸入確認の申請先
持ち込み禁止の薬
持ち込み禁止の薬
日本で認可されていない薬は持ち込むことができません。
ヤードム(Vicks VapoInhaler)
「ヤードム」はタイで人気のリフレッシュアイテムです。
スティック状の容器を鼻に当てメンソールの香りを嗅いでリフレッシュします。
コンビニや薬局で購入できますが、一部のヤードム(ヴィックブランド)は、覚せい剤取締法で規制されているL−デソキシエフェドリンが含まれているので日本国内に持ちこめません。
ロモチル(LOMOTIL)
「ロモチル」は海外でメジャーな下痢止めなのでタイで処方された方も多いと思いますが、有効成分のひとつジフェノキシレートが麻薬成分に指定されているため、持ち込みが禁止されています。
タイレノール
「タイレノール」は頭痛や生理痛に効く薬です。
日本にも流通していますが、タイのものはアセトアミノフェンの分量が(厚生労働省の定めた基準により)多いので、持ち込みが禁止されています。
その他の薬については厚生労働省の医薬品等の個人輸入に関するQ&Aで確認ください。
コピー商品の持ち込み
タイでは、ナイトバザールなどでコピー商品が普通に売られていますが、税関で発見された場合は没収されます。
また、大量に持ち込んで営利目的が疑われた場合、商標法違反で逮捕されることがあります。
象牙の装飾品・ワニの鞄の持ち込み
ワシントン条約によって、象牙やべっ甲(タイマイの甲羅)の装飾品、ワニの鞄や財布などの持ち込みは事前に手続きが必要です。
ワシントン条約とは自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の一定の種が過度に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護することを目的とした条約です。
引用元: ワシントン条約(CITES)|経済産業省
犬・猫・動物の輸入
タイから犬・猫などを日本に輸入したい人は証明書が必要です。
犬・猫を輸入するには、マイクロチップによる個体識別、複数回の狂犬病予防注射、狂犬病抗体検査などについて必要事項が記載された輸出国政府機関発行の証明書が必要です。
その他、鳥・うさぎ・猛禽類など動物によって手続きが異なりますので、こちらの農林水産省『動物検疫所のペットの輸出入』を確認ください。
生きた昆虫
生きた昆虫は日本の農作物や樹木などに被害を与える恐れがあるため、生きたままでの輸入が禁止されています。
海外から生きた昆虫類を持ち込みたい人は植物防疫所で確認ください。
植物と花
土のついた花や植物は土を落としても病害虫の侵入を防ぐために植物検疫を受ける必要があります。
*生のコーヒー豆・精米・ドライフラワーなども検疫が必要です。
あんず、いちじく、かき、キウイフルーツ、すもも、なし、なつめ、なつめやし、パインアップル、バナナ、パパイヤ、ぶどう、マンゴー、もも及びりゅうがんの乾果。
ココやしの内果皮を粒状にしたもの。
乾燥した香辛料であって小売用の容器に密封されているものは輸入植物検疫の対象になりません。
輸入植物検疫の対象とならない植物について
日本帰国時に持ち込めない食品
食肉加工品は厳罰化
ハム・ベーコン・ソーセージなどの食肉加工品は、真空パックや加熱処理してあっても、日本への持込みが禁止されています。
2019年4月22日から、海外からの畜産物の違法な持込みへの対応が厳格化されており、肉製品などの畜産物を違法に持ち込んだ場合、300万円以下(法人の場合5000万円以下)の罰金又は3年以下の懲役が科せられます。
実際に2020年2月、タイからソーセージを持ち込んだタイ人が成田空港で家畜伝染病予防法と関税法違反容疑で逮捕されています。
タイのソーセージは美味しいので、日本に持ち帰りたい気持ちはわかりますが絶対にやめましょう。
果物
外国の害虫や病原菌を日本に持ち込まないために持ち込み禁止または検査が必要なものがあります。
持ち込みが禁止されている果物
入国時に検査が必要な果物
野菜
日本に存在しない害虫や昆虫病原菌を持ち込ませないため、持ち込み禁止または検査が必要なものがあります。
持込が禁止されている野菜
入国時に検査が必要な野菜
アルコール類 持ち込み
アルコール類は1本760mlが3本まで免税。
免税範囲を超えたアルコール類は以下の税金が課せられます。
*未成年者の酒類は免税の対象外です。
たばこや葉巻 持ち込み
まで免税。
免税範囲を超えたたばこや葉巻は1本につき12.5円の税金が課せられます。
*未成年者のたばこは免税の対象外です。
課税されない免税範囲
免税の範囲を超えたタバコやお酒は、免税品であるか否かにかかわらず、日本入国時に空港の税関検査場で超過分の税金を支払うことになります。
香水 持ち込み
2オンス(56ml)まで免税。
金(地金)の持ち込み
タイ人は金の指輪やネックレスなどを身につける方が多く、街のいたるところに金行(ゴールドを取り扱うお店)があります。
タイで20万円以上の金のアクセサリーまたは、1000g以上のゴールドバー(純度90%以上)を購入した人は日本の空港で申告が必要です。
ブランド品、バックや指輪などの持ち込み
ブランド品、バック、指輪などは海外市価の合計が20万円まで免税。
1個で20万円を超えるバックや腕時計には関税や地方消費税がかかります。
不安な人は管轄の税関で確認ください。