タイでは毎年1月の第2土曜日がこどもの日として制定されており、映画館・動物園・遊園地・水族館などでこどもの無料入園が実施される他、各地のレジャー施設で様々なイベントが行われます。
また、その年の首相によってこども達に送られるスローガンは興味深い行事として毎年恒例になっています。
さながら日本の『今年の漢字』といった感じでしょうか。
タイのこどもの日の歴史
タイのこどもの日は国際児童福祉連盟の提唱により1959年にはじまりました。
国民に子供の重要性を再認識してもらう。また、そのことをこども自身にも自覚してもらう。ことが趣旨です。
1963年まで毎年10月の第一月曜日に開催されていましたが、10月は雨季の影響を受けること、役所関係が休みの日に子供の日をおこなった方が関係各所の都合が良いことから、現在の毎年1月の第2土曜日に変更になりました。
ちなみに、タイは1996年以降、祝祭日が土曜日、日曜日に当たった場合、その翌日以降の平日を振替休日とする閣議決定がされていますが、子供の日は祝日ではないため月曜日は休みになりません。
歴代の首相がこどもたちに贈ったスローガン
プレーク・ピブーンソンクラーム元帥
こどもの日には時の首相によって『スローガン』が発表されますが、歴史を遡ってみると、1956年、プレーク・ピブーンソンクラーム元師のスピーチがはじまりのようです。
プレーク・ピブーンソンクラームは立憲革命時代から第二次世界大戦をまたいでタイの政治に大きな影響力を持ち続けたタイの政治家で、首相を二度務めた経験があります。
晩年革命が行われたさいはラート県に逃避し、そこからカンボジアへ亡命しました。
その後、一時期知人が多い東京で亡命生活を送っていましたが、インドへ渡りブッダガヤで出家し、還俗後、神奈川県相模原市で一生を終えたといわれています。
サリット・タナラット第14代首相
サリット・タナラット首相の時代より、現在のような、座右の銘のような簡潔に言い表した覚えやすい言葉が贈られるようになります。
サリットタナラット首相は1958年9月18日、クーデターを実施しピブーン首相を追放し、自ら首相に就任、名実ともに独裁政権となったわけですが、
1959年から1963年まで首相在任時のスローガン全てに『革命の時代の私のこどもたちよ』という言葉が入っています。
インラック・シナワトラ第36代首相
時が流れ2014年、タイ史上初の女性の首相、インラックシナワトラ元首相が贈ったスローガンは、『自分のやるべきことを知り、国家に対し真心を尽くし、規律をもって揺るぎないタイ王国にしてください』
プラユット・ジャンオーチャー第37代タイ王国首相
2014年の軍事クーデターにより政権トップとして君臨したプラユット・ジャンオーチャーが贈ったスローガンは『知識と道徳が未来を導く』
余談ですが、プラユット首相のこのスローガンは、韻をふんでいます。
クワームルゥーのゥーとクゥーのゥー、クンナタムのムとナムのムです。
ความรู้ คู่ คุณธรรม นำสู่อนาคต
- ความรู้(知識)
- คู่(セット、組)
- คุณธรรม( 美徳、善)
- นำ(導く)
- สู่(向かって)
- อนาคต(未来)
参考にしたタイのサイト
- http://teen.mthai.com/childrens_day
- http://guru.sanook.com/2270/วันเด็กแห่งชาติ/
- http://th.wikipedia.org/wiki/แปลก_พิบูลสงคราม
- http://th.wikipedia.org/wiki/สฤษดิ์_ธนะรัชต์