毎年、タイ在住の筆者は海外から確定申告をしています。
本記事ではe-taxを使って海外から確定申告を行い、電子納税をする方法と流れについて解説します。
筆者のような海外在住者や海外でノマド生活をしている方の参考になれば幸いです。
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海外から確定申告できる人
海外から確定申告できるのは、税法上の居住者に分類される人です。
「なぜ海外に住んでいるのに居住者なの?」と疑問に思った人もいるかもしれませんね。
我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
No.2875 居住者と非居住者の区分 | 国税庁
簡単に言うと、渡航前に役所で海外転出届を提出した人は「非居住者」となります。一方、海外転出届を提出しなかった人は「居住者」となります。
住民票を抜くメリット・デメリット
海外で生活を始める際には、住民票を抜くべきかどうか迷う人も多いかと思います。
筆者は、住民票を日本に残したままタイで10年間生活してきました。
そのため、毎年以下の3点セットを支払っています。
- 住民税
- 国民健康保険
- 国民年金
*渡航前に住民票を抜けば支払い義務はありません。
住民票を抜くメリット・デメリット
非居住者(住民票を抜いた人) | 居住者(住民票を抜かない人) | |
国民健康保険 | 保険料の支払い不要 | 保険料の支払い必要 |
国民健康保険 | 役所で手続き | 国民健康保険が使える |
国民健康保険 | 海外療養費支給制度が利用できない | 海外療養費支給制度が利用できる |
国民年金 | 不要 | 必要(*免除制度あり) |
住民税 | 1月1日までに住民票を抜いていれば該当年度分の支払いは不要 | 所得に応じて支払う |
納税管理人の選任
前述の通り、海外から確定申告できる人は税法上の居住者です。
それでは、住民票を持たない非居住者の場合はどうすればよいのでしょうか?
税務署で納税管理人の届出書を提出し、代理人に手続きをしてもらう必要があります。
非居住者の確定申告書の提出や税金の納付等、納税義務を果たすために納税管理人を定める必要があります。納税管理人を定めたときには、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に「所得税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。
No.1923 海外転勤と納税管理人の選任 | 国税庁
親や兄弟に納税管理人を頼める人は解決できますが、頼みづらい人もいると思います。
そのような場合は、税理士に納税管理人の代行を依頼しましょう。
日本に帰国して手続きをするのは面倒ですし、納税管理人を税理士にしておけば、間違いが生じないので安心できます(無申告加算税や重加算税などのペナルティが発生しない)。
こちらの税理士ドットコムであなたに合った税理士を探すことができます。(問い合わせ無料)
海外から確定申告で必要なもの
次に、海外から確定申告をするのに必要なものを見ていきましょう。
パソコンまたはスマートフォン
パソコンまたはe-tax対応のスマートフォンが必要になります。
電子証明書
住民基本台帳カードまたはマイナンバーカード(個人番号カード)が必要になります。
個人番号カードの取得方法については、住民票のある市区町村窓口へ問い合わせるか、個人番号カード総合サイトをご覧ください。
住基カードはマイナンバーカードを取得するまで利用できます。(*住基カードはマイナンバーカード交付時に返却)
ICカードリーダライタ
筆者は非接触型のICカードリーダーを購入しましたが、確定申告をするときにしか使わないので千円台の接触型ICカードリーダーで十分だと思います。
e-Taxを開始
では、e-Taxを開始しましょう。
作成開始をクリックします。
e-Taxをクリックして、順番に進んでいきましょう。
- パソコンとソフトウェア
- カードリーダライタと電子証明書
- 公的個人認証クライアントソフト及びルート証明書
- 利用規約
e-Taxがはじめての人は、3番目の公的個人認証クライアントソフト及びルート証明書でつまづくかもしれませんが、ソフトをインストールするだけなので、指示通り進めれば問題ありません。
所要時間は10分から30分です。
所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出していない人は所得税コーナーを選択します。
無職の人は左記に該当しない方を選択します。
インターネットバンキングで電子納税する手順
申告書の作成が終わると納税額が確定します。納付税額がない人は完了ですが、収入がある人は確定額を納税します。
納税方法は以下の通りです。
筆者は毎年インターネットバンキングで電子納付しているので、ここでは電子納付の流れを解説していきます。
みずほ銀行のPay-easyで電子納付
みずほ銀行のインターネットバンキングにアクセスします。
ホームページ左側の決済メニューをクリックして、『ペイジー税金・料金払込』選択。
続いて引出口座を選択します。
電子納税の入力項目
続いて収納機関番号の入力です。
はじめての人はここでつまづくので詳しく説明します。
収納機関番号
収納機関番号は(00200)
収納機関納付番号
収納機関納付番号はe-Taxの利用者識別番号です。
e-Taxの利用者識別番号はe-Taxをはじめる時に取得した半角数字16けたの番号です。
収納機関確認番号
収納機関確認番号はe-Taxの納税用確認番号です。
納税用確認番号は、電子納税の際に登録した6けたの数字です。
収納機関納付区分
収納機関納付区分には納付目的コードを入力します。
納付目的コードは、
利用者自身が「税目番号+申告区分コード+元号コード+課税期間」の番号をを組み合わせて作成します。
税目番号:申告所得税及復興特別所得税 (320)
申告区分コード:確定申告(4)
元号コード:平成(4)
課税期間:納付される申告年分を和暦で入力(30)
あとは払込明細を指定して払込を実行する、通常のネットバンキング手続きです。
払込でつまづいた人は、みずほ銀行のPay-easy(ペイジー)税金・料金払込みサービス(ご利用ガイド)を参考にしてください。
まとめ
- 海外から確定申告できる人は税法上の居住者です。
- 非居住者の人は納税管理人を選任しましょう。
- 少しでも不安がある人は、税理士ドットコムで相談しましょう。(問い合わせ無料)