チェンマイで食べたい北タイ料理|定番料理と麺文化を紹介

北タイ料理は、チェンマイを中心に食べられている郷土料理です。
カオソーイだけが有名ですが、実際にはそれだけではありません。
ハーブの香りが強い料理、発酵や酸味が効いた麺、民族色の濃い一皿まで、北タイの食文化は想像以上に幅があります。
ただ、料理名だけを見ても、
- 何が北タイ料理なのか
- どれがチェンマイらしい料理なのか
と分かりにくいのも正直なところ。
この記事では、チェンマイ在住11年、毎日食べ歩いてきた経験をもとに、北タイ料理を整理しながら、全体像が分かるようにまとめます。

気になる料理は、ぜひチェックしてください。
北タイ料理の特徴
タイ北部料理の味は、バンコクを中心とした中央タイ料理とはかなり違います。
一言で言うなら、唐辛子の辛さで押すのではなく、香りと旨みが前に出る味です。
唐辛子は使われますが、舌が痛くなるような強い辛さは控えめ。
その代わりに、レモングラスやこぶみかんの葉、にんにく、発酵調味料などが組み合わさり、鼻に抜ける香りの強さが印象に残ります。
また、酸味や発酵の要素が多いのも北タイ料理らしさのひとつです。
初めてだと戸惑う味もありますが、食べ慣れると「また食べたくなる」不思議な中毒性があります。

けれど毎日食べても飽きにくく、暮らしに溶け込む味というのが、チェンマイで長く食べ歩いてきて感じる北タイ料理のいちばんの特徴です。
北タイ料理に使われるスパイス(香辛料)
北タイ料理の香りや奥行きは、使われているスパイス(香辛料)によって支えられています。
中央タイではあまり見かけない香辛料も多く、ひと口目で違いを感じやすいのが特徴です。
山岳民族から伝わった発酵調味料や、中国系イスラム文化の影響を受けたスパイスなど、北タイ料理ならではの香辛料については、こちらで詳しくまとめています。
https://chiangmai43.com/northern-thailand-spices/
北タイ料理に欠かせないハーブ・香草

北タイ料理では、料理そのものだけでなく、添えられる香草も重要な役割を持っています。
香りを足したり、口の中をリセットしたりと、味の一部として自然に組み込まれています。
北タイ料理と一緒に食べられる香草や伝統野菜については、こちらで紹介しています。
https://chiangmai43.com/thai-herbs/

チェンマイの名物料理として外せない北タイ料理
北タイ料理は、観光客向けに作られた特別な料理というより、チェンマイでは日常的に食べられている料理が中心です。
その中でも、名物料理として外せない代表的な北タイ料理を紹介していきます。
ナムプリック

ナムプリック・ヌムは、素焼きした青唐辛子を臼でペースト状にし、ナンプラーやレモン汁などで味を整えた、北タイを代表するディップです。
強い辛さは控えめで、香ばしさと青唐辛子の風味が前に出ます。

野菜やもち米をつけて食べるのが一般的で、家庭でも外食でもごく自然に並びます。
ナムプリックにはさまざまな種類があり、使う唐辛子や材料によって味わいも変わります。▶︎【ナムプリックの種類】タイ北部の代表的な7種類のナムプリック
チェンマイ・ラープ

ラープといえばイーサン地方を代表する郷土料理として知られていますが、チェンマイにはタイ北部で独自の進化を遂げた「チェンマイ・ラープ」があります。
チェンマイ・ラープは油を使わず、水を加えて火を入れる「蒸し炒め」で作るのが特徴で、油に頼らないぶん、ハーブやスパイスの香りが立ちやすく、素材そのものの旨味が前に出ます。
また、タイ北部ならではのハーブがいい仕事をしていて、一口目から香りが印象に残ります。

イーサンのラープを知っている人ほど、違いに驚くと思います。
→ チェンマイ・ラープは店ごとに個性が強く、味の振れ幅も大きい料理です。▶︎チェンマイラープが旨い店7選 有名店から伝説の店まで
サイウア(北タイソーセージ)

サイウアは、こぶみかんの葉やレモングラス、唐辛子などの香草をたっぷり練り込んだ、タイ北部を代表する名物ソーセージです。
レストランはもちろん、市場や屋台でも当たり前のように並ぶ、チェンマイ観光の定番料理でもあります。
焼いたときの香ばしさとハーブの調和が絶妙で、ひと口目から「北タイらしさ」を強く感じられるのが特徴。
タイ人の国内旅行者がチェンマイに来ると、必ず食べていると言ってもいいほど人気があります。

お酒好きなら、これは外せません。
市場では量り売りしてくれることも多く、少しだけ試してみたい人でも気軽に買えるのも嬉しいポイントです。
サイウアをはじめ、チェンマイグルメが楽しめるおすすめの市場はこちら▶︎チェンマイの食の台所「タニン市場」完全ガイド
ゲーン・ハンレー(北タイカレー)

日本で「タイカレー」と呼ばれている料理は、タイ語では「ゲーン(แกง)」と呼ばれ、日本語のカレーとは少し意味が異なります。
このあと紹介するゲーン・ハンレーも、そのひとつです。
ゲーン・ハンレーは、カットした豚バラ肉を香味野菜や北タイ特有のスパイスとともに漬け込み、時間をかけてじっくり煮込んだ北タイのカレーです。
スープ感のあるタイカレーとは違い、汁気は控えめで、濃厚な味わいが特徴です。
→ ゲーン・ハンレーは辛さ控えめで、日本人にも食べやすい北タイカレー。
初めての一皿として選ばれることも多く、辛い料理が苦手な人にも向いています。おすすめのお店はこちら。
>>>本場のタイ北部カレー ゲーンハンレーとゲーンホが美味しい店8選
日本人がまだ知らない|隠れた北タイの名物料理
観光客にはあまり知られていませんが、北タイでは季節になると自然と話題にのぼる料理があります。地元の人や食通のタイ人にとっては、毎年楽しみにしている“旬の味”です。
オーンプー

北タイで食べられる、サワガニの卵(内子)を使ったナムプリック系の一皿。
「オーン」は“とろっと煮詰める”という意味で、蟹「プー」の卵をハーブやスパイスと合わせ、弱火でじっくり練るように火を入れて仕上げます。
濃厚なコクに、レモングラスやエシャロットの香りが重なり、あとを引く味わい。
蒸し野菜やカオニャオ(もち米)と合わせると、その旨みがいっそう引き立ちます。
旬は稲作シーズンが終わる11〜12月頃。
市場に並び始めると、地元では「今年もこの時期が来た」と話題になる、季節の名物です。
ゲーン・パックワーン・カイモッデーン

北タイ〜東北タイで食べられる季節限定のゲーン(スープ状のカレー)。
ほろ苦く青い香りのパックワーン(山菜)と、ぷちっと弾ける卵のコクがとけあう味わいは、思わずもう一口すすりたくなるおいしさ。
辛さは控えめ〜中程度で、ハーブの香りが静かに立つ一皿です。
赤アリの卵は乾季から暑季(2〜5月頃)が旬で、この時期は味が濃く、おいしいといわれています。
北タイ料理の麺文化
チェンマイグルメを語るうえで、麺料理は欠かせません。
タイ人の間では、カノムジーン・ナムギャオも高い人気を誇り、カオソーイと並ぶ「チェンマイの二大麺料理」として親しまれています。います。
また、チェンマイは移民や少数民族が多く暮らす街。
雲南系ムスリム(回族)の麺料理や、シャン族のソウルフード「カオフン」など、ここでしか味わえない麺文化が今も日常に根づいています。

カオソーイ(北タイ麺の顔)
カオソーイは、クリーミーなカレー味のスープに平打ち麺を合わせた、チェンマイを代表する北タイの名物麺料理です。
香辛料のスパイシーな刺激と、ココナッツミルクのやさしい甘みが重なり合う味わいは、しばしば「究極のスパイスラーメン」とも表現されます。

北タイを知る入口として、これ以上わかりやすい麺はないと思います。
チェンマイはカオソーイ発祥の地とされており、街中には専門店が数多くあります。
ただし、どこで食べても同じというわけではなく、味の差がはっきり出る料理でもあります。
→ ミシュラン掲載店から、地元客に愛されるローカル店まで網羅。▶︎チェンマイ在住者が選ぶカオソーイ名店リストおすすめ17店
カノムジーン・ナムギャオ(チェンマイの名物麺料理)
カノムジーン・ナムギャオは、じっくり煮込んだ豚スペアリブのスープにトマトの酸味を加えた、チェンマイを代表する麺料理です。
あっさりした口当たりながらコクがあり、発酵米麺カノムジーンとの相性も抜群。
重たさがなく、日常的に食べられている一杯です。

タイ人観光客の中には、カオソーイよりナムギャオを目当てに訪れる人も少なくありません。
かくいう筆者も、毎日食べるならこちらを選ぶほどの好物です。
チェンマイには老舗の有名店が多く、1杯40 THB前後とリーズナブルなのも魅力。朝食や軽めの昼ごはんとして、地元の人に親しまれています。
チェンマイで食べたいナムギャオの名店はこちら▶︎チェンマイの名物麺料理!カノムジーン・ナムギャオの名店12選
雲南系ムスリム(回族)が伝えた麺文化
タイ北部は陸続きの国境を多く持ち、古くから周辺地域との人の往来が盛んな土地です。
チェンマイにも、雲南系ムスリム(回族)をはじめとする移民の食文化が根づいており、その影響は麺料理にも色濃く残っています。
なかでも代表的なのが、パーパーソイと呼ばれる餅状の麺料理。
つきたての餅のようにやわらかい麺は、噛みしめるとすぐに米のほのかな甘みが広がり、他のタイ麺とはまったく違う食感が印象に残ります。

バンコクや日本ではほとんど見かけないので、チェンマイに来たらぜひ体験しておきたい一杯です。
雲南系ムスリム(回族)が伝えた麺パーパーソイが味わえるお店はこちら。▶︎チェンマイの回族の店でパーパーソイ(餅麺)を堪能
シャン族のソウルフード「カオフン」
カオフンは、中国雲南省にルーツをもつ雲南系イスラム(回族)と、ミャンマー・シャン州出身のタイヤイ族(シャン族)が好んで食べる北タイならではの麺料理です。
カオフンに使われるトーフは、日本の豆腐とは異なり、ひよこ豆から作られるのが特徴。
とろりとなめらかな口当たりで、米麺にかけて甘辛いタレと混ぜて食べたり、冷やし固めて薬味をのせたりと、食べ方もさまざまです。

「チェンマイまで来た意味」を実感できる一皿だと思います。
チェンマイでは、シャン族系と雲南系イスラム(回族)系、2つの系統のカオフンを食べ比べることができます。
→ シャン族のソウルフード「カオフン」が食べられる店はこちら▶︎チェンマイで「カオフン」が食べられるお店5選
まとめ|北タイ料理とは何か
北タイ料理は、強い辛さで押す料理ではなく、香りや発酵、土地の素材を生かした、暮らしにそった料理です。
ナムプリックやラープといった日常の料理から、カオソーイやナムギャオに代表される麺文化まで、チェンマイの食は、民族や人の行き交いの中で形づくられてきました。
派手さはありませんが、毎日食べても不思議と飽きない。
それが、チェンマイで11年間暮らし、毎日食べ歩いてきて実感する北タイ料理の魅力です。






