チェンマイの山中、ドイステープ寺院へ向かう道中に佇む古刹「ワット・パーラート」を紹介します。
鬱蒼とした竹林に囲まれたこの寺院は、一度見たら心から離れない仏像が点在し、その神秘的な雰囲気はまるでジブリ映画のワンシーンを彷彿とさせます。
パワースポットとしても人気で、地元タイ人の信仰を集める一方、観光客にはあまり知られていない穴場的な存在。
静かに参拝できるチェンマイの隠れた名所です。
ワット・パーラートの伝説
14世紀、ランナー王朝のクーナー王(1355〜1385年)の時代に建立された「ワット・パーラート」は、神秘的な伝説と深く結びついています。
伝説によれば、スコータイの高僧スマナは、発見した仏舎利(釈迦の遺骨)をクーナー王に献上しました。
王はこの神聖な遺物(仏舎利)をどこに安置すべきか悩み、神聖視される白象の導きを仰ぐことにしました。
白象の背に仏舎利を乗せると、象はステープ山をゆっくりと登り始め、やがて現在のワット・パーラートの地で立ち止まりました。
この出来事を神の意志ととらえた王は、その場所に寺院を建立するよう命じたと伝えられています。
名称 | ワット・パーラート |
タイ語 | วัดผาลาด (สกทาคามี) |
営業時間 | 6時00分~18時00分 |
入場料 | 無料 |
場所 | Googleマップでひらく |
ワット・パーラートの行き方
ワット・パーラートは、チェンマイ市街から西に約10km(直線距離7km)の場所に位置しており、以下の4つの交通アクセスがあります。
ソンテウ
ワット・パーラートへのアクセスで最も一般的なのはチャーターソンテウです。
料金はかかりますが、時間を気にすることなく観光ができ、自由度が高いのでおすすめです。
ちなみに、乗り合いソンテウは、行きだけなら問題ありません。
ワット パーラートは、ドイステープ寺院へ行く道中にあるので、チェンマイ市街からドイステープ行きの乗り合いソンテウに乗り、寺院の前で途中下車するだけなので。
問題は帰りのソンテウに乗車できないことです。
ドイステープ寺院から市街に降りる乗り合いソンテウは、座席がうまるまで発車しないので、満席で途中乗車できないことが多いです。
なので、行きは乗り合いソンテウ。
帰りは次に紹介するトレッキングルートを歩いて帰るのがおすすめです。
トレッキングコース(歩き)
あまり知られていませんが、ドイステープの麓(チェンマイ大学裏)からドイステープ寺院へは歩いて登れるトレッキングコースがあります。
ドイステープ寺院までは、傾斜がきつい箇所もあるので上級者でないと厳しいですが、
ワット・パーラートまでなら約2km(徒歩40分〜60分)、比較的平坦で難所がなく、初めての方でも安心です。
ツアー
あれこれ考えず、旅のプロに任せたい!という方にはツアーがおすすめ。
ドイステープ・ワットパーラート 半日サンライズツアー(チェンマイ)
ちなみにこちらのツアーは、乗り合いソンテウでは絶対に無理な、ドイステープ寺院からの日の出が拝めます。
ツアーの内容も、人気寺院を3箇所(ドイステープ寺院→ワットパーラート→ワットウモーン)まわるのでかなりおおすすめ。
朝早く起きれる方はぜひ。
レンタルバイク
若者に一番おすすめなのはレンタルバイクです。
ドイステープの山道を駆け抜け、自然を肌で感じる体験は日本ではなかなか味わえません。
また、ドイステープ寺院周辺には魅力的な観光スポットが点在していますが、移動が不便です。
チェンマイでバイクに乗る方は、こちらの記事もぜひ読んでおいてください。
ワット・パーラートの見どころ
ドイステープ行きの乗り合いソンテウで途中下車する場所は、クルーバーシーウィチャイ記念像を通りすぎて7分ほどの、参拝道左脇にある写真のお堂が目印です。
お堂の内部には優しいお顔をした白亜の仏像や仏足跡(釈迦の足跡をかたどった崇拝物)が祀られています。
こちらのお堂をワット・パーラートと勘違いされている方も多いのですが、ワット・パーラートはお堂の左脇の山道をさらに300mほど下りていきます。
寺院へ至る美しい竹で囲まれたワット パーラートの参道。
守護神
寺院入口の左右に立っている守護神は上半身が天使で下半身が獅子、寺院内に仏敵が入り込むことを防いでいます。
仏像の後ろにまわると、ぷりっとしたお尻が印象的。
本堂
本堂を護る守護仏は上半身が天使で下半身が龍神です。
守護仏には蔦が巻きついていて、ジブリ映画のような雰囲気が漂っています。
本堂の妻側にはビルマのシンボルである緑の孔雀の装飾が施されています。
緑の孔雀はビルマのシンボルとして扱われており、コンバウン王朝時代やビルマ国時代の国旗に用いられていました。
苔むす仏塔
本堂の奥にはビルマ様式の苔むす仏塔が建っています。
仏塔のまわりには、モームと呼ばれるヒムパーンの森に棲む聖なる生き物たちがいます。
椅像
仏塔の脇には椅像(椅子に座っている像)を祀っているお堂があります。
入り口を護っているのはヒムパーンの森に棲む聖なる生き物たちでしょうか?
ヤック(鬼)が片足を支えていました。
こちらのお堂はできたばかりのようで真新しい感じがします。
崖の下の坐像
数年前、雨ざらしの状態で崖の下にあった坐像は洋風の祠ができいました。
昔の方が趣があって良かったような気もします。
心のデトックス
ワット・パーラートは観光客があまりいないので静かに参拝できます。
耳を澄ますと小鳥のさえずりや川のせせらぎが聞こえ、心をデトックスできますよ。
ドイステープ寺院を訪れる際は、素通りせずにワット・パーラートも楽しんでください。