交通事故大国タイでは、毎日350件〜550件の事故があり40人〜60人の方が亡くなっています。
*タイの交通事故発生状況を24時間確認できるサイト(http://www.thairsc.com/)
タイの交通ルールやタイ人ドライバーの運転特性を知っておけば、タイ旅行中に交通事故に巻き込まれる可能性も減るでしょう。
本記事は、タイ在住10年目の筆者が、毎日車やバイクを運転している経験をもとに書きました。
タイ人の運転技術が著しく低い理由
タイ人ドライバーの運転技術が低い一番の理由は、日本とは比較にならないほど簡単に免許が取得できてしまうことです。
日本で運転免許を取得する流れ
自動車教習所で学科と技能の講習を受ける→仮免許→路上運転→卒業検定→運転免許センターで学科と適性検査→普通運転免許証取得。
タイで運転免許を取得する流れ
運転免許センターで実地と学科と適性検査→普通運転免許証取得。
日本では公認教習所を卒業すると実技は免除されますが、タイにはそういう制度がないので、多くのタイ人は直接免許センターに行って試験を受けます。
日本でいうところの一発試験です。
日本の一発試験(教習所に通わずに直接免許センターで合格)は、至難の技ですが、タイの一発試験はゆるいのでほとんどの人が合格します。
また、中には教習所に通う真面目なタイ人もいますが、
タイの教習所は学科5時間、技能10時間(費用5500B〜6500B)で修了証が発行されます。
ちなみに日本の教習所は学科26時間、技能34時間(オートマ31時間)です。
タイ人ドライバーの運転特性
タイ人ドライバーの運転技術が低い理由がわかったところで、どのような運転をするドライバーが多いのか知っておきましょう。
ウインカーを使わない
タイではウインカーを出さずに車線変更したり、合流するドライバーがかなり多くいます。
車間距離を取らない
割り込みされるのが嫌なのでしょうか?
タイ人ドライバーはみんな異様に車間距離が近いです。
高速道路でも車間距離をとらずに追走する車が多く恐怖を感じます。
絶対に譲らない
幹線道路の合流や右折待ちをしている時に譲らない車が多いので、つまらない原因の渋滞が多いです。
交通法規を理解していないからなのか?
心に余裕がないからなのか?
なんなんでしょうか。。。
Uターンで曲がり切れない
ハンドルを思っ切り切れば済むだけの話ですが、なぜかタイ人はUターンする時に少ししかハンドルを切らず、道路の真ん中で切り替えします。
タイの道路は動線が良くないので、日本と比較するとUターンをする箇所が多いのですが、
Uターン禁止の交差点でも平気でUターンをし、しかも曲がり切れずバックして切り返す車が多いです。
合流ができずに止まってしまう
判断が遅く、本線への合流ができずにとまってしまう車が多いです。
車線をはみ出す
車道の中心で運転できず、センターラインもしくは歩道側に寄ってしまう車が多いです。
車線をはみ出して運転している車もいます。
カーブが外側へ大きく膨らむ
カーブの際、車線をはみ出す車が多いので気をつけましょう。
また、カーブの途中で急ブレーキをかけるドライバーも少なくありません。
逆走が日常茶飯事
タイの地方では側道の逆走が日常茶飯事です。
バイクならわかりますが、たまに車で逆走してくる車もあるので側道に車をとめる時も気が抜けません。
ハザードの使い方がおかしい
日本では路肩に駐停車する時に使いますが、タイでは交差点を横断するときに使用します。
*高速道路で渋滞の最後尾についた時は同じ使い方です。
ハンドルと体の距離が極端に近い
タイ人は、ハンドルにしがみつくような姿勢で運転する人が多いです。
ですので、基本は前しか見てません。(ドアミラーやバックミラーが見えていない)
タイの交通ルール
タイの法定速度の罰則
タイの法定速度は一般道の場合
- 自動車が80km/h
- 自動二輪が80㎞/h
- 三輪車は45㎞/h
- 総重量が1,200 kgを超えるトラックまたはバス80㎞/h
地方高速道路(州間高速道路)の場合
- 自動車とバイク90km/h
- 大型トラックまたはバス80km/h
スーパーハイウェイ
120km/h
と定められていますが、法廷速度はあってないものです。
スピード違反の罰金が安く、交通違反をしても運転免許の点数が減点されることはありません。
筆者は一般道を120kmで走行し2度オービスに撮られた経験がありますが、罰金は500Bでタイの免許証にも日本の免許証にも傷がついていません。
左折はOK
タイは直進する信号が赤でも、左折はOKなので交差点の左車線をあけておく必要があります。
左車線で信号待ちをしていると、クラクションを鳴らすドライバーもいます。
タイの飲酒運転の罰則
法律上、飲酒運転は禁止されていますが、タイの多くのドライバーは酔ってなければマイペンライ(大丈夫)という認識です。
ですので、飲酒運転が横行しており、
タイの旧正月ソンクラーン期間中(1週間)は、ビールを片手に運転するドライバーも少なくなく、毎年300名〜400名ほど交通事故で亡くなります。
タイの酒酔い(酒気帯び)運転の罰則
タイでは血中アルコール濃度が1リットルあたり0.5mg以上含まれると酒酔い運転になり、罰則は以下の通りです。
酒酔い(酒気帯び)運転
1年以内の禁固か1万B〜2Bの罰金またはその両方。
運転免許停止6か月以内か7日間以内の車の没収。
酒酔い(酒気帯び)運転で他人に怪我を負わせた場合
1年〜5年の禁固か2万B〜10Bの罰金またはその両方。
1年以上の免許停止もしくは免許取り消し。
酒酔い(酒気帯び)運転でで大事故
2年〜6年の禁固か4万B〜20万Bの罰金またはその両方。
2年以上の免許停止もしくは免許取り消し。
まとめ
フラフラして走っている車に遭遇したらすぐに車間距離をあけるか、車線を変更して追い越しましょう。
タイで車やバイクを運転される方は、より一層注意を払うように心がけてください。
外国人観光客の場合は、運転免許証の他にパスポートの原本も所持しておきましょう。
運転免許は電子免許でもOKです。