タイ語で山の都を意味する「ナコンパノム」。
その名のとおり、メコン川を挟んだ対岸にはラオスの雄大な山々がひろがっています。
対岸のターケークにはタイとラオスを結ぶメコン第3の友好橋がかかっており、交易がおこなわれているほか、外国人旅行者でも陸路で国境を越えることができます。
またラオスのみならずベトナムからの移民もおおく、街の中心にはベトナム系住民が建てた時計台、南のはずれにはベトナム独立の父「ホーチミンが隠れ住んだ村」などがあり、タイ・ベトナム・ラオスの多様な民族文化と伝統がまざりあった独特の雰囲気が感じられます。
本記事ではありきたりのタイ旅行では物足りない人に向けて、ナコンパノムへの行き方とおすすめ観光スポットを紹介します。
ワット・プラタートパノム【イーサンの聖地】
仏教寺院の多いナコンパノムのなかでもひときわ存在感を放つ「ワット・プラタートパノム」。
境内にそびえ立つ仏舎利塔「プラタートパノム」は、イーサン地方最大の聖地としてタイのみならずラオスの仏教徒からも厚く信仰されています。
伝説ではシーコートラブーン王国が栄えていた7世紀〜8世紀ごろ、マハーカッサパ(釈迦の十大弟子の一人)が仏舎利塔を建て、釈迦の胸骨をおさめたといわれています。
ワット・プラタートパノムの情報収集をタイ語ですると、
- イーサン最大の聖地
- お釈迦さまが訪れた
- 釈迦の胸骨をおさめた
- 日曜日生まれの守護仏塔
- 申年の守護仏塔
- 純金110kgの装飾
- タイで最も寺格の高いタイ王室第一級寺院
など、すごい文言がならびますが、「行ってみてわかりました」本当にすばらしい場所です。
ワット・モルック・コナコン【SNS映え抜群】
プミポン国王(ラーマ9世)の即位50年を記念して建てられた「ワット・モルック・コナコン」。
外国人観光客にはあまり知られていませんがタイ人観光客のあいだではSMS映えスポットとして有名です。
仏塔のなかに入ると天井にはきらびやかなシャンデリア、壁一面にはギラギラしたゴールドの装飾がほどこされ、高級ホテルのようなゴージャスな空間がひろがります。
フォトジェニックな写真を撮りたい人におすすめの場所です。
観光客もいないのでゆっくりできます。
誕生日仏塔【タイで唯一】
タイ人は自分の血液型を知らなくても、自分の生まれた曜日を知っているのがふつうで、誕生曜日を大切にする文化があります。
誕生曜日の守護仏塔があるのはタイで(おそらく世界でも)ナコンパノムだけなので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
メコン川サンセットクルーズ【長寿の源】
メコンに沈む夕日を眺めながら美味しいタイ料理が楽しめる「メコン川サンセットクルーズ」。
タイ人のあいだではこの川にしか生息しない魚(メコンオオナマズ)を食べると長寿になると信じられていて、船上で心地よい風に当たりながら、メコンオオナマズのスープやタイ風サラダを食べるのが定番になっています。
料金はVIP席は250B、1〜3等席は200Bとバンコクや日本ではあり得ない安さ。(*飲食代金は別)
タイムスケジュールは以下のとおりです。
- 17:30 チェックイン
- 18:00 出発時間
- 20:00 到着時間 (*22:00までアルコールやカラオケを楽しめます)
少し離れた場所に50Bの遊覧船もあります。
こちらは飲食無しですのでぼっちクルーズの方におすすめです。
名称 | メコン川周遊クルーズ |
タイ語 | ท่าเรือข้ามฟาก นครพนม |
英語 | Nakhon Phanom pier |
チェックイン | 17:30 |
場所 | Googleマップでひらく |
ナーガ像【ランドマーク】
釈迦が悟りをひらくときに守護したとされるナーガ像はナコンパノムのランドマーク的存在です。
メコン川に祀られ、連日タイとラオスの両国から多くの人びとが参拝に訪れます。
名称 | ナーガ像 |
タイ語 | ลานพญาศรีสัตตนาคราช |
英語 | Naga Monument |
営業時間 | 24時間 |
ベトナムメモリアル時計塔【街の中心】
ベトナムメモリアル時計塔は、インドシナ戦争から逃れてきた人びとが(1954年の休戦をうけて)帰国するさいに、受け入れてくれたタイに感謝して1960年に建てたものです。
メコン川と並行して伸びるチャヤンゴン通りとシーテープ通りが交わる場所にあります。
ナコンパノムの街はメコン川に沿って細長く展開していて、このベトナムメモリアル時計塔周辺にホテルや商業施設があつまっています。
おしゃれなカフェやバーもたくさんあり、若者でにぎわっています。
名称 | ベトナムメモリアル時計塔 |
タイ語 | หอนาฬิกาเวียดนามอนุสรณ์ |
英語 | Vietnamese Memorial Clock Tower |
営業 | 24時間 |
場所 | Googleマップでひらく |
ホーチミン博物館【空港近く】
ホーチミン博物館は市内中心部から南に5km離れたナーチョック村にあります。
ベトナム建国の父「ホーチミン元主席」が革命の道を探すために1924年からの7年間、秘密裏に住んでいた場所で、ベトナムの解放において非常に重要な場所であったと考えられています。
ホーチミン元主席が暮らしていた家を復元した館と、子供の頃から主席になるまでの人生がわかりやすく展示されている博物館があります。
ナーチョック村は、インドシナ戦争から避難したベトナム移民が多く住んでいたことからタイベトナム友好の村といわれています。
名称 | ホーチミン博物館 |
タイ語 | บ้านลุงโฮจิมินห์ |
英語 | Ho Chi Minh Museum |
営業時間 | 8時30分〜16時30分 |
場所 | Googleマップでひらく |
第3タイ・ラオス友好橋【陸路国境越え】
第3タイ・ラオス友好橋は、2011年にメコン川にかけられたタイとラオスを結ぶ3番目の友好橋です。(全長780メートル)
ナコーンパノムのバスターミナルからラオスのターケーク行きの国際バスが出ており、外国人旅行者も陸路で国境越えができます。
ラオス行き国際バスの運行時間は以下の記事で確認ください。
筆者は車で行きましたが、頑張れば自転車でもいける距離です。
名称 | 第3タイ・ラオス友好橋 |
タイ語 | สะพาน · ทางหลวงจังหวัด นครพนม-มุกดาหาร |
英語 | Third Thai–Lao Friendship Bridge |
営業時間 | 24時間 *国際バスの最終は17:00 |
場所 | Googleマップでひらく |
セントアンナノーンセーン教会【ミサに参加】
1926年にエドゥアールアムアール修道院長によって建てられたカトリック教会です。
優雅な2つの尖塔と教会の前に建つマリア像がとても綺麗で印象的です。
中にも入れるようでしたが、教会のマナーがわからないので外から一枚だけ写真を撮らせていただきました。
名称 | セント アンナ ノーンセーン教会 |
タイ語 | วัดนักบุญอันนา หนองแสง (รองอาสนวิหารนักบุญอันนา) |
営業時間 | ー |
場所 | Googleマップでひらく |
ナーガトンネル【憩いの場所】
メコン川沿いのサイクリングロードにあるトンネルです。
川沿いはきれいな花が植えられたりベンチが置かれていたり人びとの憩いの場所になっています。
早朝、川沿いをランニングしましたが朝焼けの絶景が最高でした。
*残念ながら托鉢の時間には間にあわず…。
托鉢を見学したい人は6時までには川沿いに待機しておきましょう。
名称 | ナーガトンネル |
タイ語 | อุโมงค์นาคราช |
営業 | |
場所 | Googleマップでひらく |
インドシナ市場【異国情緒】
インドシナ市場はメコン川沿いにある2回建ての室内型市場です。
- 1階:日用雑貨、化粧品、台所用品、かばん、洋服、アクセサリー、バッグの小さな店
- 2階:レストラン
名称 | インドシナ市場 |
タイ語 | ตลาดอินโดจีน นครพนม |
英語 | Indochina Market 2545 |
営業時間 | 5時00分〜20時00分 |
場所 | Googleマップでひらく |
ナコンパノムナイトマーケット【地元の人でにぎわう】
メモリアル時計台があるシーテープ通りとスントーンウィチット通り付近では、毎週末(金曜日・土曜日・日曜日)ナイトマーケットが開催されます。
外国人観光客はほとんどいないのでローカルな雰囲気をぞんぶんに楽しめます。
名称 | ナコンパノムナイトマーケット |
タイ語 | ถนนคนเดินนครพนม |
営業時間 | 金曜日〜土曜日 17時00分~21時00分 |
場所 | Googleマップでひらく |
ナコンパノムへのアクセス
ナコンパノムはタイ東北部(イーサン)の東に位置し、メコン川を挟んでラオスと国境を接しています。
- バンコクからナコンパノムまでの移動距離740km
- チェンマイからナコンパノムまでの移動距離850km
バンコクから飛行機でナコンパノムへ行く
バンコクからナコンパノムへの空路は、
- エア・エアアジア(https://www.airasia.com/)
- ノックエアー(https://www.nokair.com/)
の2社がドンムアン空港から就航しています。
- 所要時間は1時間20分
- 運賃は2000バーツほど
最新情報は各航空会社のHPで確認ください。
ナコンパノム空港から市内への移動手段
ひと目で空港内が見渡せてしまうほど小さな空港です。
ナコンパノム空港から中心市街地までの距離は17km、車で20分の距離です。
市内へのアクセスは以下の乗りものが利用できます。
- シャトルバス
- タクシー
- レンタカー
シャトルバス
シャトルバスは市内まで100バーツ(ムグダハン行き)。*乗り合いなので人がそろうまで出発しません。
タクシー
空港ターミナル前(車寄せ)に空港タクシーが待機しています。
市内まで運賃200バーツ。*待たずに出発
レンタカー
空港内にレンタカーの窓口があります。
こちらはナコンパノムの地元のレンタカー(https://nakhonkoratcarrent.com/)
小型乗用車は1日800バーツ〜
最新情報はナコンパノム空港公式HP(英語・タイ語)で確認ください。
バンコクから長距離バスでナコンパノムへ行く
バンコクの北バスターミナル(モーチット・バスターミナル)からナコチャイエアーはじめ数社の長距離バスが運行しています。
ナコチャイエアーの運賃はVIP704B・所用時間10時間40分(18:06/18:30/18:45/19:30の1日4便)
最新情報は各社HPで確認ください。
チェンマイから長距離バスでナコンパノムへ行く
チェンマイ第2バスターミナルからペットプラサート社はじめ数社の長距離バスが運行しています。
最新情報は各社HPで確認ください。
ナコンパノムバスターミナルから市内への移動手段
ナコンパノムのバスターミナルから中心市街地のベトナム時計台まで2km弱。大きな荷物がなければ歩ける距離です。
歩くのが面倒な人は、バスターミナルの前でソンテウが客待ちしています。
運賃は強気の100バーツです。