「タイはマンゴーが安く食べられる」って聞くけど、どんな種類があるの?
という人に向けて、
「タイ産マンゴー10種類」の味の特徴や旬の時期を紹介します。
日本で一玉1000円以上する高級マンゴーが、タイでは一玉100円以下と驚くほど安価です。
この記事を参考に、タイ旅行でいろいろな種類のマンゴーを味わってください。
品種
タイのマンゴーは、
などを含め170種類以上あるといわれています。
旬の時期
タイのマンゴーは品種や気候によって変わりますが、
が旬です。
タイ産マンゴーの種類一覧
品種名 | 特徴 | タイ語名 | 英語名 | |
1 | ナムドークマイ | タイで最も多く生産されている品種 | มะม่วงน้ำดอกไม้ | Namdokmai |
2 | マハチャノック | 独特の香り | มะม่วงมหาชนก | Mahacharnok |
3 | チョークアナン | 小ぶりで濃厚な甘さ | มะม่วงโชคอนันต์ | Chok Anan |
2 | オグロン | 小ぶりで甘酸っぱい | มะม่วงอกร่อง | Okrong |
6 | キイアオサウェイ | 未熟でも完熟でも美味しい | มะม่วงเขียวเสวย | Kiew Savoey |
7 | デーンチャックラパット | 超高級マンゴー「太陽のタマゴ」と同じ品種 | มะม่วงแดงจักรพรรดิ์ | Deen Chakraphat |
8 | アートゥーイートゥー | ソフトボール大の丸い実 | อาร์ทูอีทู | ArtuItu |
9 | ジンホン | 台湾マンゴーの品種改良 | จินหง | chinhog |
10 | マンシィウィチャイ | フローラルな芳香と濃厚な甘みを持つ新品種 | มันศรีวิชัย | Sriuichai |
ナムドークマイ
「ナムドークマイ」はタイでもっとも生産されているマンゴーで、現在タイ国内では以下の6品種が栽培されています。
人気の品種は「ナムドークマイ4号」と「ナムドークマイシートーン」です。
とりわけ、チャチューンサオ県バーンクラー郡で栽培されるものは高級品として取引されます。
品種名 | タイ語名 | 英語名 | 品種番号 |
ナムドークマイ | น้ำดอกไม้ | Namdokmai | 00074 |
ナムドークマイタワイ | น้ำดอกไม้ทวาย | Namdokmai Thawai | 00075 |
ナムドークマイ 4 号 | น้ำดอกไม้เบอร์ 4 | Namdokmai No.4 | 00076 |
ナムドークマイ 5 号 | น้ำดอกไม้เบอร์ 5 | Namdokmai No.5 | 00077 |
ナムドークマイプラプラデーン | น้ำดอกไม้พระประแดง | Namdokmai Phrapradaeng | 00078 |
ナムドークマイシートーン | น้ำดอกไม้สีทอง | Namdokmai Sithong | 00079 |
ナムドークマイスパン | น้ำดอกไม้สุพรรณ | Namdokmai Suphan | 00080 |
果皮は黄色で、熟すにつれてあざやかなレモンイエローに変わります。
形状は細長く、水がしたたり落ちるしずくの形に似ていることから、タイ語で「ナムドークマイ(花のしずく)」と呼ばれています。
ナムドークマイの果肉は繊維質が少なく、舌触りがなめらかでとろけるような食感が特徴的です。
味にクセがなく、コクのあるまろやかな甘みとほどよい酸味があります。
タイのフルーツ屋台で売っているマンゴーは、ほとんどこのナムドークマイです。
食べやすい大きさにカットされて30バーツほどで販売されています。
また、日本人に人気のもち米とマンゴーのデザート「カオニャオマムアン」やマンゴーチーズケーキの材料としても使用されます。
マハチャノック
「マハチャノック」は、サンセット種とナングランワン種が偶然交配して誕生したマンゴーで、日本にも輸出されています。
故プミポン国王に献上され、「マハーチャノック」と名付けられました。
形状は細長い楕円形です。
果皮は熟すにつれ、緑色とオレンジ色から赤みを帯びることがあります。
マハーチャノックの果肉は繊維質が少なく、とろけるような食感があります。
ナムドクマイ種よりも甘味は少ないですが、上品な香りが特徴的で、桃とプラムを合わせたような味わいです
マンゴーを食べている間、ずっと良い香りを楽しめます。
チョークアナン
「チョークアナン」は、1年に2回実がなる二季節性のマンゴーです。
2016年には日本への輸出が解禁されています。
果皮は黄色で、熟すにつれて黄色みが強くなります。
食べごろになるとレモンイエローになります。果皮に少ししわが入るくらいが食べごろ(完熟)です。
形状はころっとかわいいたまご型で、少し小ぶりで200g程度です。
チョークアナンの果肉はカットすると鮮やかなオレンジ色で、トロピカルフルーツのような甘い香りがただよいます。
食感はとろけるというよりも、なめらかなメロンの食感(メルティング質)にちかいです。
豊かな香りと蜜のような芳醇な甘みに爽やかな酸味が加わったバランスのとれたマンゴーです。
完熟すると糖度は20度を超え、まったりとした甘味と適度な酸味がほどよくマッチして、なめらかな舌触りをします。
オグロン
オグロンはタイに古くからある在来種で、現在タイ国内では以下の11品種が栽培されています。
品種名 | タイ語名 | 英語名 | 品種番号 |
オグロン | อกร่อง | Okrong | 00161 |
オグロンカティ | อกร่องกะทิ | Okrong Kati | 00162 |
オグロンカーオ | อกร่องขาว | Okrong Khao | 00163 |
オグロンキイアオ | อกร่องเขียว | Okrong Khiao | 00164 |
オグロントーン | อกร่องทอง | Okrong Thong | 00165 |
オグロントーンカムグラーンパン | อกร่องทองดำกลายพันธุ์ | Okrong Thongdamklaiphan | 00166 |
オグロンサイヨーック | อกร่องไทรโยก | Okrong Saiyok | 00167 |
オグロンピクトーン | อกร่องพิกุลทอง | Okrong Phikunthong | 00168 |
オグロンポンティップ | อกร่องภรณ์ทิพย์ | Okrong Phonthip | 00169 |
オグロンマン | อกร่องมัน | Okrong Man | 00170 |
オグロントーン | อกร่องหอมทอง | Okrong Homthong | 00171 |
果皮はやや緑味を帯びた薄い黄色で、熟すにつれてレモン色に変わります。
形状は、細長いまる石のような形をしています。
オグロンの果肉は白っぽく、フォークを刺すとその段階で果汁がわき出てくるほどみずみずしいのが特徴です。
豊かな甘さだけでなく、酸味もあるため爽快感も味わえます。
デーンチャックラパット
デーンチャックラパットは日本国内で超高級品として有名な宮崎の 「太陽のタマゴ」と同じ品種(アーウィン種)です。
宮崎産の太陽のタマゴは1個4000円もしますが、デーンチャックラパットはタイのローカル市場では1個40円ほどです。
果皮はリンゴのように赤と緑に染まり、熟すにつれてあざやかな赤紫に変わります。
形状は卵型で、大きさは約1kgです。他のマンゴーとは違い、ずっしりと重量感があります。
デーンチャックラパットという名前はタイ語で「赤い皇帝」という意味がありますが、まさにその名にふさわしく、ただただ美味しいマンゴーです。
果肉はカットするとあざやかなオレンジで、爽やかな香りが漂います。
タネが小さく、果肉がたっぷりなので、かなり食べ応えがあります。
果肉はみずみずしくジューシーで、やわらかいけれど程よい硬さの歯ごたえがあります。
酸味はほとんどなく、繊維質も少ないため、糖度15度以上の濃厚な甘さをダイレクトに堪能できます。
ローカル市場の店主いわく、「綺麗に色付いたものは高級スーパーに出荷するから市場には不細工なものしか並ばないけど味は一緒」とのことです。
超高級マンゴーをお腹いっぱい食べたい人におすすめです。
ローカル市場の店主によると、「綺麗に色付いたものは高級スーパーに出荷されるため、市場には見た目が良くないものしか並ばないが、味は同じ」とのことです。
アートゥーイートゥー
アートゥーイートゥーは、品種改良されたケント種としてオーストラリアで生まれた品種で、タイへの入荷は1994年から始まりました。
果皮は、黄色やオレンジ色で、熟すにつれて赤色に変わります。
形状は球形で、普通のサイズは300g(男性の拳)程度で、大きいものは800g(ソフトボール)程度です。
未熟、中熟、完熟の3つの違った味を楽しめます。
カットすると中熟の果肉は鮮やかなオレンジ色で、柑橘系の爽やかな香りが漂います。
果肉は中程度の硬さで、あっさりした甘みともちもちした独特の食感が楽しめます。
また、他の品種と比較して果肉が厚く(果肉割合81%)、食べ応えがあります。
完熟まで待つと、茶色がかった赤みの深い山吹色に色づきます。
完熟した果肉は、ややとろりとしており、アボカドやパパイヤのような独特の食感になります。
糖度が高く、芳醇な甘みも楽しめます。
ジンホウ
ジンホウマンゴーは、台湾の金煌という品種のマンゴーを改良した新しい種類のマンゴーです。
果皮は黄緑色で、熟すと黄色に変わります。
形状は細長く、収穫時の重さは2キロ以上になることもあります。
ジンホウ(金煌)マンゴーは追熟型のマンゴーで、食べごろは収穫から10日前後です。*2週間ほどで完熟します。
果肉を切ると、鮮やかな黄色で先端部は白みがかっています。
ほかの品種よりも酸味が強い部分もありますが、果肉が豊富で繊維は少ないです。
キイアオサウェイ
「キイアオサウェイ」は、青マンゴーの代表的な品種として知られていますが、完熟してもかなり美味しいです。
果皮は深緑色で、熟すにつれて黄緑色から黄色を帯びた色に変わります。
指で軽く押して、少し凹むようになったら食べ頃です。
なお、青いマンゴーは熟しても黄色にはなりません。
果皮と果肉の間にペティーナイフを入れると、簡単に切れます。
色からして固そうなイメージがありますが、意外と柔らかくて切りやすいです。
果肉がもっちりとしていて、弾力がある食感が特徴です。
また、ゆたかな甘みと青リンゴを思わせる爽やかな酸味を楽しむことができます。
マンシィウィチャイ
「マンシィウィチャイ」は、一度嗅ぐと忘れられないフローラルの香りが特徴です。未熟と完熟の2つの味わいを楽しめます。
深緑の果皮が黄色みを帯びて黄緑色になったら食べごろです。
果肉をカットすると、みずみずしい鮮やかなオレンジ色が現れ、芳香がただよいます。
濃厚な甘さとなめらかな食感はもちろんのこと、鼻から抜けるマンゴーらしからぬフローラルな香りがとにかく素晴らしいです。
一度味わったら忘れられないほど印象深い香りです。
また、マンシィウィチャイには「皮ごと食べられる」という大きな特徴があります。
写真のように、皮付きのままカットしても美味しくいただけます。
皮は、エグみがなく、金柑やオレンジピールのような味です。
マンゴーを食べる時の注意点
常温で追熟させる
買ってきたマンゴーをすぐに冷蔵庫に入れてしまうと、追熟が止まってしまいます。
食べごろになるまで、常温で追熟させましょう。
食べごろは、指で軽くツンツンして少しへこんだ状態です。
かぶれに注意
市場でマンゴーを買ったら、まず洗いましょう。
マンゴーはウルシ科の植物なので、マンゴーを触った手で顔や体の部位にふれるとかぶれることがあります。
写真はマンゴー皮膚炎になった筆者の腕です。
赤くかぶれているのがわかりますか!
マンゴー皮膚炎になると、非常にかゆいです。
筆者は発疹と赤くただれただけですみましたが、人によっては水ぶくれのようになるそうです。
薬局で処方された軟膏(ステロイド外用剤)を塗ったところ、4日から5日で治りました。
まとめ
日本で一玉1000円以上する高級マンゴーが、タイの市場では一玉100円以下という驚くほどの安さで購入できます。
タイ旅行では、ぜひいろいろな品種のマンゴーを食べ比べてみてください。
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